不動産賃貸業の個人事業主におすすめ!小規模企業共済での節税対策について、沖縄読谷村の不動産会社が解説
2023/11/27
個人で不動産賃貸業を営んでいれば、廃業の際にも退職金などを受け取ることができず、その後の生活に不安を感じられるでしょう。
小規模企業共済の制度を利用すれば、不動産賃貸業を営む小規模企業の経営者や個人事業主の方が月々の掛金をもとに退職金を積み立てることができます。
こちらの記事では、不動産賃貸業を営まれる個人事業主の方に、小規模企業共済制度の概要や節税対策について解説します。
小規模企業共済の加入手続きについてもご紹介しましょう。
小規模企業共済とは?
小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者が廃業や退職に備えて掛金を積み立て、退職金を準備できる制度です。
掛金が全額所得控除の対象であり、また共済の契約者が亡くなった場合には死亡退職金としても節税効果が期待できます。
不動産の賃貸業などを経営される場合に、事業資金等の貸付も受けられる小規模企業共済について詳しく見ていきましょう。
加入資格
小規模企業共済の加入資格の中には、次のような項目があります。
(1)建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員
したがって不動産賃貸業を営む個人事業主や、会社役員の方は年齢制限なく小規模企業共済に加入することが可能です。
ただし、個人事業主として加入する場合には「事業的規模」の経営であることが求められます。
「事業的規模」とは、一戸建てであれば5棟以上、マンションやアパートであれば10室以上が基準です。
また駐車場を賃貸経営されている場合には、50台以上が「事業的規模」の目安となります。
本業がサラリーマンの給与所得者で、副業で不動産賃貸業を経営する場合には加入できませんので、注意してください。
さらに小規模企業共済は、加入者自身の退職金積み立て制度であり、共同経営者でなければ妻など自分以外の家族は加入することができません。
掛金
掛金は月々1,000円〜7万円の範囲内で自由に設定ができ、500円単位で増減可能です。
払込み方法は個人の預金口座からの振替で、月払い、半年払い、年払いの選択ができます。
共済金
共済金は掛金を納付した月数や共済金の請求事由により、受け取れる基本共済金は決められています。
不動産賃貸業を経営される個人事業主の方が受け取れる共済金は次のとおりです。
共済金の種類 | 請求事由 |
共済金A |
・個人事業を廃業した場合 ・共済契約者が亡くなった場合 |
共済金B | ・老齢給付(65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ場合) |
準共済金 | ・個人事業が法人化し、加入資格がなくなったことによる解約の場合 |
解約手当金 |
・任意解約 ・機構解約(掛金12ヶ月以上の滞納) ・個人事業が法人化し、加入資格はなくならないが解約する場合 |
掛金を納付した月数が240ヵ月(20年)未満での任意解約の場合には、掛金の合計額が下回る点には注意しましょう。
受取方法には、「一括受取り」「分割受取り」「一括・分割併用の受取り」の3種類があり、受取り方法によって税法上の取扱いも変わります。
・一括で受け取る場合:退職所得
・分割で受け取る場合:公的年金等の雑所得扱い
・一括・分割併用で受け取る場合は:(一括分)退職所得扱い
(分割分)公的年金等の雑所得扱い
貸付制度
契約者は積み立てた掛金による貸付限度額の範囲内で事業資金のほか、さまざまな貸付を受けることが可能です。
何かあった場合には、低金利で即日の貸付を受けることもでき安心です。
貸付制度には次のようなものがあります。
「一般貸付制度」「緊急経営安定貸付け」「傷病災害時貸付け」「福祉対応貸付け」「創業転業時・新規事業展開等貸付け」「事業継承貸付け」「廃業準備貸付け」
所得税の節税
掛金は小規模企業共済等掛金控除として、全額を課税所得金額から控除できます。
掛金を月額1,000円以上7万円の範囲で設定し、限度額の7万円に設定した場合には、年額84万円の全額が所得控除の対象です。
ただし共済の掛金は契約者個人の収入からの払込みとなり、事業の損金処理や必要経費計上はできません。
掛金が全額所得控除されることによる節税額は下記のとおりです。
課税所得金額 |
加入前の税額(円) |
加入後の節税額(円) |
||||
所得税 |
住民税 |
掛金金額 1万 |
掛金金額 3万 |
掛金金額 5万 |
掛金金額 7万 |
|
200万円 |
104,600 | 205,000 | 20,700 |
56,900 |
93,200 | 129,400 |
400万円 | 380,300 | 405,000 | 36,500 | 109,500 | 182,500 | 241,300 |
600万円 | 788,700 | 605,000 | 36,500 | 109,500 | 182,500 | 255,600 |
800万円 | 1,229,200 | 805,000 | 40,100 | 120,500 | 200,900 | 281,200 |
1,000万円 | 1,801,000 | 1,005,000 | 52,400 | 157,300 | 262,200 | 367,000 |
相続税の節税
共済の契約者が死亡した場合には、遺族は死亡退職金として共済金を受け取れます。
税法上、死亡退職金は生命保険の死亡保険金と同様に、みなし相続財産として課税の対象となります。
そのうえで「死亡退職金」は「500万×法定相続人の数」が非課税枠として扱われ、その金額までは相続税がかかりません。
生命保険の非課税枠と合わせて、死亡退職金の非課税枠を利用することができ、相続税の節税効果が大きいのです。
まとめ
こちらのコラムでは、個人事業主で不動産賃貸業を営まれる方に小規模企業共済についてご紹介しました。
企業とは違い個人事業主として経営をされる場合には、何か起こった時の社会保障が少なく、また廃業や退職をしたあとの資金にも不安をお持ちでしょう。
そのような方が小規模企業共済を活用すれば、掛金を運用して退職金を準備できます。
事業的規模の不動産賃貸業を経営されるなら、貸付制度があり、所得税や相続税の節税対策もできるこちらの制度をぜひご活用ください。
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