白色申告から青色申告に変更したい!2種類の申告の違いや変更するメリット、変更手続きについて沖縄読谷村の不動産会社が解説
2023/11/21
個人事業主やサラリーマンの方で給与以外の副業収入がある場合、確定申告を年に一度行わなければなりません。
確定申告とは、一年間の収入から経費を差し引いた所得から、所得税や消費税の税金を求め、税務署に報告する手続きのことです。
個人事業主の方なら、確定申告は白色申告と青色申告の2種類あり「結局どっちがお得なの?」と悩まれるでしょう。
こちらの記事では、不動産の賃貸経営をされ白色申告から青色申告への変更を検討されている方に、2つの確定申告の違いや青色申告のメリットをわかりやすく解説します。
青色申告への変更の手続きについてもご紹介しましょう。
白色申告とは?
青色申告の申請手続きを行わなかった場合には白色申告を行うことになり、白色申告をするにあたって特別な手続きは必要ありません。
税務署に「確定申告書」と簡易簿記による「収支内訳書」を提出します。
収支内訳書とは、収入と支出から残高が確認できるだけの家計簿のようなものです。
簡単な手続きで済む白色申告ですが、特別控除や赤字の繰り越しなど税制上の特典を受けられず、節税のメリットが少ないのがデメリットです。
赤字と黒字を繰り返していたり、連続赤字から黒字に転換した場合には、赤字を繰り越したり繰り戻したりできず、青色申告の場合よりも税金の負担が大きくなるでしょう。
青色申告とは?
事業的規模の青色申告にはたくさんの税制上の優遇があります。
事業として認められる不動産経営の規模は、一戸建て住宅なら5棟、アパート・マンションなら10部屋が目安です。
個人事業主やサラリーマンで事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかがある方が対象となり、複式簿記での記帳が求められます。
青色申告をするためには「青色申告承認書」を期限内に事前に提出した上で、「確定申告書」と「青色申告決算書」の提出が必要です。
青色申告には「青色申告特別控除」「減価償却資産の一括計上」「赤字の繰り越し」のメリットがあります。
事業的規模まではいかない業務的規模の青色申告であれば、簡易簿記での記帳が可能で特別控除が最大10万円です。
事業的規模であれば、特別控除額が最大65万円までアップし、家族への給与を必要経費にできます。
特別控除が受けられる
青色申告の一番のメリットは、確定申告時に所得から最大65万円を控除できることです。所得額から控除額を差し引いて申告することで、所得税と住民税を軽減して節税対策となります。
特別控除額は次のようになります。
・簡易簿記による申告の場合:最大10万円
・e-Taxによる電子申告や電子帳簿保存法を承認された場合:最大65万円
・複式簿記による申告で郵送や持参の場合:最大55万円
申請期限(3月15日)を過ぎて提出した場合は、どのような提出方法であっても控除額が10万円となりますので注意が必要です。
赤字の繰り越しができる
事業が赤字の場合には、赤字の損失分を翌年以降3年間は所得金額から差し引いて繰り越しができます。
また、前年にも青色申告している場合であれば、赤字の損失分を前年に繰り戻して所得金額から差し引いて相殺し、前年の所得税の還付が受けられます。
不動産賃貸業で、開業して間もない時期は物件の取得費用などがかかり、赤字であるケースが多いでしょう。
そのような時期には、青色申告による節税で大きなメリットがあります。
家族の給与を必要経費にできる
事業的規模で不動産の賃貸経営をされているオーナー様であれば、同居する家族に支払った給与の全額を必要経費にできます。
税務署に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出すれば、届出書に記載した範囲内で仕事の対価としての給与は、全額経費に計上可能です。
青色事業専従者になった家族は「配偶者控除」「配偶者特別控除」「扶養控除」が受けられなくなりますので、注意してください。
減価償却資産を一括計上できる
現在、青色申告者は「少額減価償却資産の特例」により、30万円未満の少額減価償却資産
を購入した年に一括して経費に計上できます。(合計300万円を限度)
一般的に10万円以上のパソコンや事務用品は、減価償却資産となり耐用年数に応じて1年ごとに経費処理をしなければなりません。
青色申告であれば、令和6年3月31日まで期間限定の減税措置を受けられます。
提出書類と期限
事前手続きとして、青色申告をしたい年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を持参あるいは郵送で税務署に提出しなければなりません。
申請書は税務署に用意されており、また国税庁のサイトからダウンロードも可能です。
さらに、複式簿記で一年間の収入と経費を記帳し「損益計算書」と「貸借対照表」を作成してください。
確定申告には損益計算書と貸借対照表をもとにした「青色申告決算書」と「確定申告書」の提出が必要です。
確定申告書は国税庁のサイトからダウンロード、あるいはWebサイトで作成できます。
3月15日(土日の場合は翌月曜日)までに税務署に提出しましょう。
提出方法
提出方法には書類を持参あるいは郵送する方法と、国税庁の「確定申告等作成コーナー」に入力してe-Taxを利用する方法があります。
事業的規模であれば、e-Taxを利用すると青色申告特別控除65万円が適用され、持参や郵送よりお得です。
申告は、税理士に代行を依頼することもできますし、会計申告のソフトを活用するのも良いでしょう。
会計申告ソフトを利用すると、複式簿記の記帳が自動化されスムーズに確定申告を行えます。
まとめ
こちらのコラムでは、不動産賃貸経営者で白色申告から青色申告に変更したい方に、2つの申告の違いや青色申告のメリットを解説してきました。
青色申告では、白色申告と同程度の労力で「青色申告特別控除」「減価償却資産の一括計上」「赤字の繰り越し」の特典が受けられます。
また、事業的規模であれば特別控除額が大幅にアップし、家族への給与を必要経費に全額計上できます。
確定申告の手続きについてもご参考に節税対策をして、賃貸経営を成功させましょう。
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