賃貸物件の古いエアコンには交換義務がある?費用面や注意点についても、沖縄読谷村の不動産会社が解説
2024/04/26
賃貸物件に備えられたエアコンも15年が経つとさまざまな不具合が出てきます。
借主から「エアコンの効きが悪いから交換してほしい」と言われた場合には、貸主は交換義務や費用負担について考えるでしょう。
この記事では、賃貸物件のエアコン交換の目安や、注意点について解説します。
付帯設備の場合
賃貸借契約書内で、エアコンが貸主の提供する付帯設備とされている場合には、貸主に修繕や交換義務があります。
そのため、貸主が業者を手配し、修繕や交換の費用を負担しなければなりません。
エアコンの交換費用は、不動産経営の必要経費となり、10万円未満であれば、消耗品費として経費計上できます。
また、青色申告をしていれば、一台あたり30万円未満のエアコンは「少額減価償却資産」として300万円までを全額費用に計上可能です。
残置物の場合
契約書内でエアコンが、前の借主が設置し置いていった残置物扱いとなる場合には、貸主に修繕や交換義務はありません。
貸主の同意のもと、借主がエアコンの修繕や交換を行い、費用を負担します。
過失・故意がある場合
契約書内でエアコンが付帯設備・備品となっていても、入居者に故意・過失があった場合には、貸主に交換義務はありません。
借主が何かをぶつけて壊してしまったり、わざとでなくてもうっかりお掃除で故障させた場合には、修理や交換の費用は借主負担となります。
エアコン交換の目安
国税庁が定めるエアコンの法定耐用年数は6年ですが、それ以上の期間使用されている方が多いでしょう。
消費動向調査によりますと、二人以上の世帯では、エアコンの平均使用年数は13. 2年です。
また、65.3%の世帯が故障を機に新しいエアコンに交換しています。
参考:内閣府経済社会総合研究所「消費動向調査 令和3年3月実施分」
賃貸物件で15年も使用したエアコンであれば、いつ故障しても不思議ではない状況です。
真夏や真冬に突然壊れるリスクもあり、年数が経過したものは早めに新しいものに交換するのがおすすめです。
また、製造打ち切り後10年を過ぎるとメーカーに部品が保有されず、修理ができない点には注意してください。
エアコン故障のサイン
エアコンの調子が悪く、故障と判断をする際には、いくつかのサインがあります。
次のようなサインがある場合には故障の可能性があり、業者に依頼し、修理や交換を検討してください。
・冷暖房が効かない:冷媒ガス漏れなど
・異音がする:室外機のコンプレッサーや送風ファンの破損など
・異臭がする:本体内部にカビ発生など
・室外機から水漏れする:ドレンホース目詰まりなど
・ブレーカーが落ちる:老朽化による漏電など
エアコンの交換費用
エアコン交換には、本体価格のほか、古いエアコンの取り外しや、新しいエアコンの取付け工事費用が必要です。
エアコンの取付け工事は、冷暖房能力の違いによっても費用が変わります。
また、不要なエアコンの回収や、配管の化粧カバーには、別途費用がかかります。
エアコン交換には、本体価格以外に2万円前後の費用をみておきましょう。
本体を購入すると、送料や取付け工事をセットで行う業者もあります。
フィルターが目詰まりしている
エアコンは使用するたびにフィルターにホコリがたまります。
自動掃除機能付きであれば、ひんぱんなお掃除は必要ありませんが、機能がなければ定期的なお手入れが欠かせません。
お手入れを長期間していない場合には、ホコリでフィルターが目詰まりしていることも多く、運転に影響しているケースもあります。
室外機の周りに障害物がある
植物の鉢やストッカーなどが、室外機の吸気口の周囲に置いてあると、エアコンの効率が悪くなります。
すき間の狭い室外機カバーは、熱がこもり、エアコンが効かない場合もあり、注意が必要です。
室外機の周囲には物を置かず、通気性の良い環境にしなければなりません。
リモコンが故障している
エアコンは主にリモコンを使って操作しますが、本体ではなくリモコンが故障している場合もあります。
電池の残量、リモコンの液晶表示、リモコンの赤外線信号を確認してください。
赤外線の信号が出ているかは、スマートフォンの赤外線フィルターなどが活用できます。
また、リモコンを押してもエアコンが動かない場合、お手入れの際に電源プラグを抜き、そのままになっていることもあります。
故障して交換を検討する場合には、本体以外も確認してください。
ブレーカーが落ちている
落雷などで停電が起こった際に、エアコンを使用しているとブレーカーが落ちることがあります。
復旧してもエアコンが動かず故障と判断する前に、まずはブレーカーを確認しましょう。
停電が発生した場合、一度電源プラグを抜いておくと、復旧の負荷を軽減でき、復旧した際にスムーズにエアコンが動き始めます。
設定温度が間違っている
エアコンをつけても、設定温度が間違っているとエアコンから送風されず、故障と勘違いすることもあります。
夏に温かい温度設定や、冬に涼しい温度設定をしていても、送風されないからです。
また、エアコンが動かない場合には、霜取り運転や省エネ運転になっていないかも確認しておきましょう。
借主が引っ越してしまう
賃貸物件で、エアコンに不具合があると暑さや寒さが厳しい中での生活が強いられます。
また、不快な音やニオイが続く場合もあり、快適な生活とは言えません。
壊れていないから交換する義務はないと考えていると、借主が引っ越してしまい、新たな入居者が見つからない場合もあります。
エアコンの交換は、賃貸経営の費用対効果についても考えることが大切です。
修理や交換費用を請求される
借主からのエアコンの修理や交換依頼に対処しないと、その後に費用を請求される可能性があります。
貸主にエアコンの修理・交換義務がある場合、借主が修理・交換した費用を貸主に請求できることが民法608条で定められているからです。
家賃減額の交渉をされる
エアコンが故障し、通常の生活が送れない場合には、家賃の減額交渉をされるリスクもあります。
2020年4月から、民法が改正され賃貸物件の設備に不良があった場合、家賃減額が明文化されました。
エアコンが作動しない場合には、1ヶ月あたり5,000円が家賃から減額される可能性があります。
ただし新しいものに交換するための準備に要する3日間は免責されます。
参考:日管協「賃室・設備の不具合による賃料減額ガイドライン」
まとめ
この記事では、賃貸物件のエアコンが故障した場合の貸主の交換義務について解説しました。
契約書に付帯設備と明記され、借主に落ち度がない場合には、貸主負担で修繕や交換を行わなければなりません。
故障のサインも確認して、適切なタイミングでエアコンを交換すると入居者の満足度にも直結します。
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