旧借地権とは?借地権の種類やメリット・デメリットについても、沖縄読谷村の不動産会社が解説
2023/07/26
家探しをしていると「借地権付き建物」ということばを見かけることがあるでしょう。
「費用も安くすみそうだし、良さそうな物件だしいいのでは?」とお考えの方に、旧借地権や新法の借地権について解説します。
また、借地権付き建物のメリット・デメリットやトラブルについてもみていきましょう。
旧借地権とは?
旧借地権とは、旧借地法に基づいた土地の賃貸借契約の権利です。
旧借地法は、土地を借りる側の権利が厚く守られた法律で、半永久的に土地を借りることができるのが特徴です。
「いったん貸し出すと二度と土地は返ってこない」と言われるほど、貸し出した土地が返ってこないため、地主の貸し渋りが続きました。
地主を守り、土地の有効利用を促進するために、1992年に新しく借地借家法が制定されたのです。
借地借家法は、契約期間が定められており、地主が安心して土地を貸し出せる法律です。
土地の貸し借りにおいて、現在も1992年以前に契約された物件は、旧借地法が適用されており、地主と借地人の間でのトラブルもあります。
トラブルを避けるためにも、土地に設定された権利や契約内容を確認しておく必要があるでしょう。
借地権には、賃借権と地上権がある
借地権には、下記の2種類の権利があります。
賃借権:賃貸借契約を結び、土地の賃料を支払って、建物を建てることができる権利。
地主の承諾なしには、人に貸したり、譲り渡したりできない。
地上権:他人の土地を自由に利用し、利益を受け取れる土地を所有する権利。
地主の承諾なしに権利を貸したり、譲ることができる。
主に公共事業や競売の土地に設定される権利。
地主の権利が弱いため、一般的な土地に、地上権が設定されることはほとんどありません。
そのため、「借地権付き建物」とは、一般的に賃借権のついた建物のことです。
旧借地権と新法借地権の借地契約がある
借地契約には、旧借家法に基づいた旧借地権の契約と、借地借家法に基づいた新法借地権の契約があります。
旧借地権は、土地に建っている建物の構造によって最低存続期間が異なります。
・木造造り20年、鉄骨・鉄筋コンクリート造り30年
・(契約時に存続期間の設定がない場合)木造造り30年、鉄骨・鉄筋コンクリート造り60年
借り主が拒絶しない限り、半永久的に土地を借りることが可能で、借り主のメリットが多い権利です。
一方、新設された借地借家法には、普通借地権と定期借地権の2種類があります。
定期借地権は、契約期間満了後の契約更新のない借地権です。
契約期間満了後は、建物を取り壊して更地で返却しなければなりません。
定期借地権の契約期間は、新築時からのものとなります。
中古物件を購入する場合には、残存する契約期間を確認しましょう。
普通借地権は、旧借地法を基にしたもので、旧借地権との大きな違いは、存続期間です。
建物の構造に関係なく、最低存続期間が30年となりました。
更新後は、1回目20年以上、2回目10年以上となります。
貸主は正当な理由がない限り、更新の拒否はできず、借り主は半永久的に住み続けられます。
また、旧借地権は、劣化で建物が人が住むことができないような状態になった場合には、権利が消滅します。
一方、普通借地権は天災や人災などで建物が滅失しても権利は消滅しません。
旧借地権のメリット
旧借地権付きの建物を購入する一番大きなメリットは、家を安く手に入れられることでしょう。
土地の購入費用が60%から80%におさえられるからです。
また、借地権付きの物件であれば、土地の税金を払う必要がありません。
固定資産税や都市計画税は、土地の所有者に課されるものであり、地主が支払うべきものだからです。
さらに旧借地権は、借り主が契約の更新を拒絶しない限り、契約が更新され、半永久的にその土地に住める強い権利なのです。
旧借地権のデメリット
旧借地権付きの建物は、土地の費用をおさえて購入することができますが、土地を借りるための諸費用が継続的にかかることに注意しなくてはなりません。
毎月の地代、契約更新料、大型リフォームや建物の名義変更には、地主に承諾料を払う必要があります。
土地の固定資産税はかかりませんが、不動産取得税など建物の税金の支払いは必要です。
また、住まいの設備交換などは問題ありませんが、建て替えや大型リフォーム、売却には地主の許可がいることも知っておくべきでしょう。
増築などを行う場合には、固定資産税の算定にもかかわるからです。
土地を所有する地上権でなく、土地の賃借権である場合には、売却する場合にも地主の許可が必要となります。
さらに、住宅購入時の住宅ローンについても注意しましょう。
住宅ローンは、購入する物件を担保として抵当権が設定されますが、土地の所有権が他人であるため、住宅ローンの審査が通らない場合が多くあります。
また、建物を担保とする場合にも、地主の承諾書を取りつけなければなりません。
地代の値上げ
毎月支払う地代は、ずっと同じ金額であるわけではありません。
周辺地域の土地の価値が上がった時、または地主都合で値上げされることもあるのです。
値上げには、社会情勢や地主の経済状況、固定資産税の値上がりなど正当な理由と、双方の合意が必要です。
契約締結の際に、地代の増額はしない内容を特約で盛り込むこともできます。
契約の更新や更新料
地主が世代交代によって変わった時、借地権を返すよう求められ、立ち退きを要求されトラブルになることも。
地主が変わっても、借地権の権利は守られます。
また、更新を拒絶する場合にも、正当な理由が必要です。
正当な理由には、明確なガイドラインがあるわけではないため、お互いに納得できるよう話し合いましょう。
また、地主に契約更新料の支払いを求められるトラブルもあります。
本来更新料は、契約書に記載されていなければ、支払う義務はありません。
しかし、慣習として更新料の支払いがされてきたため、トラブルになることがあるのです。
納得できない高額な支払いでなければ、地主と良い関係を続けるために支払っておくのも一つの方法でしょう。
契約書を締結する際に、更新料についてあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
譲渡の許可
もし建物を売却する際には、借地権も一緒に売却する必要があります。
しかし、地主が借地権の譲渡を許可しないケースがあるのです。
多くの場合は土地の更地評価額の10パーセントほどの「譲渡承諾料」を地主に払って解決されます。
譲渡の許可なく売却すると、地主による契約解除などで、のちに大きなトラブルになりますので、注意してください。
まとめ
旧借地権、新法借地権についてみてきました。
旧借地権付きの建物には、費用面や契約を半永久的に更新できるという大きなメリットがあります。
一方で、土地を借りるための継続的な諸費用支払い、地主の許可、住宅ローンにおいてはデメリットもあります。
地代や契約更新、建物売却についてのよくあるトラブルの対策としては、あらかじめ契約前に地主と相談し、すり合わせしておくことが大切です。
地主と良い関係を継続していきたいものです。
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